本日は、香港政府が今年のGDP成長率予測を下方修正し3%超と発表したこと、英金融大手HSBCグループのCEOが中国から香港への資産流入が今年3〜4倍に増加していると話したこと、香港の2023年の賃金上昇率は平均4%でエンジニアリング、テクノロジー、小売で大幅な昇給があったことをお伝えします。


■香港政府、GDP成長率予測を下方修正

昨日、香港政府のポール・チャン財政長官は今年のGDP(域内総生産)成長率予測を下方修正し3%超と発表しました。今年8月にGDP成長率予測を3.5~5.5%から4.0~5.0%へと修正したばかりでしたが再び修正がおこなわれました。


ポール・チャン財政長官は、世界最大手の金融機関の代表が集まる香港金融管理局主催のグローバル金融リーダーズ投資サミットで、「今年は外部の逆風や非常に複雑に変化する環境にもかかわらず、GDP成長率は3%を超えると予想している。我々が望む水準を少し下回るが、この景気回復に向けた努力は持続している」と述べました。


■中国から香港への資産流入が3〜4倍に増加

香港金融管理局主催のグローバル金融リーダーズ投資サミットで、テクノロジーの活用から中国経済の将来などの幅広いテーマの議論が2日間にわたりおこなわれました。その中でも英金融大手HSBCグループのノエル・クインCEOが「中国本土から香港への資産流入は今年になり3~4倍に増加している。中国本土との一体化の結果として香港での資産運用の活動が元のレベルに戻っている」と演説したことが話題となっています。


米大手ヘッジファンドのシタデル社のケン・グリフィンCEOも「香港は依然として国際金融センターとしての魅力がある。我々にとって香港のチームはアジアで最も重要なチームだ。香港は中国大陸全体へのアクセスであると同時に、中国本土への玄関口でもある」と話しました。


■2023年の香港の賃金上昇率は平均4%

人材コンサルティング会社ECAインターナショナルは「香港の2023年の賃金上昇率は平均4%。エンジニアリング、テクノロジー、小売で大幅な昇給があった」と100社以上の香港企業を対象とした独自調査をおこない発表しました。金融サービスは2018年以来初めて平均上昇率を下回ったとも発表されています。


ECAインターナショナルのアジア担当GMマーク・ハリソン氏は「現時点で香港の労働市場は比較的逼迫していると思う。つまり、企業は現在の従業員を維持する必要があるということだ。もし企業が4%よりも低い昇給を提示し始めれば、従業員が辞めてしまうリスクがある。また、来年の香港のインフレ率は低いと予想されており、シンガポールのような他の場所と比べて駐在員の待遇が良くなることを意味する。香港は駐在員にとって非常に魅力的であるだろう」とコメントしています。

提供元:hongkong-bs.com

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