海外視察の費用が高過ぎるという指摘が出ている舛添知事は、きょう定例会見で視察の成果を強調しながらも、費用の在り方を検証するチームでの結果を6月末にまとめるとしました。
海外視察の費用が高過ぎるという指摘を受けている舛添知事はきょうの定例会見で、先週から今週にかけて行ったアメリカ視察の成果を「ニューヨーク証券取引所は世界一ですから、そこが東京の地位をきちんと認めてくれたということで、私は十分な成果を上げたと思っている」と強調しました。また「毎日、会議をやっている。スイートルームという言葉だけで、遊び回っている部屋という誤解があってはいけない」と述べました。
東京都によりますと、今回のアメリカ視察の航空券は主にファーストクラスの利用で225万円、宿泊費は会議室付きのスイートルームの利用で、5泊でおよそ74万円でした。都の条例では、知事がニューヨークとワシントンに泊まる場合、宿泊費の上限は4万200円と決められていますが、都の人事委員会に申請すればその上限は適用されない取り決めになっています。東京都は「要人の面会や会議もできるようにスイートルームを選んだ」としていますが、街行く都民からは「宿泊費が高い。もっと庶民的に節約してほしい。私たちの血税ですから」「航空券、高いですね。(その分を)保育園の整備に使ってほしい」「もう少し慎ましいやり方の方が庶民の感覚にはヒットするので配慮すべき」などと厳しい意見が聞かれました。
総額およそ5000万円がかかった去年秋のヨーロッパ視察を含む一連の海外視察について、都庁には意見がおよそ2000件寄せられ、大半が「都民感覚からすると高い」というものだったということです。また、東京だけでなく、神奈川県の黒岩知事は「東京都と神奈川県はこれだけ違うものかと思った。がくぜんとするくらい違う。桁が違う」と驚きを表しました。
舛添知事は当初から「無駄な費用は削減していく」という考えを示していましたが、批判の声が次第に大きくなる中、だんだんと具体的な削減方法に触れるようになっていました。今月1日の会見では「香港のトップが二流のビジネスホテルに泊まりますか。恥ずかしいでしょう」「無駄なものはもちろん排します。しかし、必要なことは必要」としていた知事でしたが、今月8日の会見では「例えば出張の人数を減らすとか無駄な経費を減らすとか、すでに指示をしている」と述べていました。アメリカ出発前には、前回よりも同行職員を19人から15人に減らしたほか、ビジネスクラスを利用する職員も2人減らしました。さらに、アメリカ滞在中の13日には「終わった後に経費を精査して、さらに削減できるところは削減する努力をしたい」と、視察後に使い方を精査する考えを示しました。そして、全行程を終えて帰国した今月18日には「批判は謙虚に耳を傾けないといけないので庁内でチームをつくって、どこを省けばいいかをしっかり(検討する)」と述べ、新たにチームをつくり、知事の視察費用の在り方を検証していく方針を明らかにしました。
東京都はこの検討チームでの検討結果を6月末までに取りまとめるとしています。