本日は昨日に続き、キャセイパシフィック航空が香港政府主導で390億香港ドルを調達するとの発表が話題です。また、QS世界大学ランキング2021で香港大学が22位、マーサー2020年世界生計費調査で香港が1位、住宅価格比較のCBRE Global Living Reportで香港が1位となったことをお伝えします。
■キャセイ、香港政府主導で390億香港ドル調達
経営が厳しいキャセイパシフィック航空は昨日、香港政府が主導する総額390億香港ドル(約5400億円)の資金調達を発表しました。
資金の注入は3段階でおこなわれます。株主からの承認が必要ですが、1段階目は香港政府に対して195億香港ドルの優先株を発行します。2段階目は、既存株主(スワイヤー・パシフィック、中国国際航空、カタール航空など)に対して117億香港ドルの株式を発行。最後は香港政府より78億香港ドルのブリッジローンを受けるという流れです。
3段階の資金注入が完了すると、キャセイパシフィック航空の持ち株比率はスワイヤーが45%から42%、中国国際航空が30%から28%、カタール航空は10%から9.4%となり、香港政府は6.08%の株式を保有することになる見通しです。香港政府は経営には関わらないが、取締役会に出席するオブザーバー(立会人)を2人任命するとのことです。
キャセイパシフィック航空は、幹部報酬の削減や希望退職の再募集をおこなう方針を示しているようです。また、キャセイパシフィック航空は資金調達後も従業員を解雇しないとの約束はできないと話しており、フライトアテンダント協会が不満を示しています。
■各ランキング(大学、生活費、不動産)
QS(クアクアレリ・シモンズ)が世界大学ランキング2021を発表。世界トップはマサチューセッツ工科大学、アジアトップはシンガポール国立大学(11位)。香港トップの香港大学は22位となり昨年より3位上昇。日本では東京大学が24位でした。
マーサー(Mercer)が駐在員の生活費を比較する「2020年世界生計費調査‐都市ランキング」を発表。香港は3年連続で世界1位、2位はアシガバート(トルクメニスタンの首都)、3位は東京、4位はチューリッヒ、5位はシンガポールとなりました。
不動産コンサルタントCBREが世界39ヶ国を対象として、住宅価格などを比較したGlobal Living Reportを発表。香港の2019年の住宅購入価格は約5%上昇し平均125万米ドル(約1億3,500万円)で世界一、2位はミュンヘン、3位シンガポール、4位上海、5位深センと続きました。賃貸住宅では香港は3位となり平均2,682米ドル(約29万円)となりました。
<香港の新型コロナウイルスの状況>
現在、香港内の新型コロナウイルスの感染者合計は1,107人、退院者は1,050人。昨日は新たな感染確認はゼロでした。