「暮らしのソレ! から」。
国からの10万円給付に加えて、東京・品川区では、全区民に1人3万円、中学生以下には5万円が支給されるという。

これに、ほかの区民からは羨望(せんぼう)のまなざしが集まっている。

品川区は全区民への1人3万円の給付は、「しながわ活力応援給付金」と銘打ち、予算が成立すれば、8月から9月ごろに申請の受け付けが始まる。
さらに、中学生以下には5万円が給付されるという、130億円の予算を投じる独自の政策。

1人3万円、中学生以下には5万円の支給に対し、品川区民は、「すごくうれしかったです。ラッキーだなって」、「家族は、私と主人と子ども2人の4人です。あわせて16万円。すごい大きい。子どもが成長過程で、どうしても(費用が)かかるものに一番負担がかかる。(使い道は)教育費ですね」、「(仕事の)イベントがキャンセルになって、収入がゼロになった。何があるかわからないので、生活費の足しとして、とっておこうかなと。去年ぐらいに引っ越してきて、品川区民になってよかったなと」などと話した。

この場所は、道路の左側が品川区、右側が大田区。
道を挟んで3万円がもらえるか、もらえないか、道路一本で明暗が分かれる形となった。

大田区民からは、「うらやましい。(子どもが)保育園を休んで家にいるので、3食ご飯作るだけでも、(お金が)だいぶかかってるかなと」という声が。

さらに、“品川”とは名ばかり、アドレス的には港区にある品川駅で聞いてみると…。

港区民「うらやましいです。何で港区はないのかな…品川駅だけど」

しかし、品川駅の北側にある高級店や高級住宅地が多いとされる港区白金では…。

港区民「子どもの出産一時金とか、港区多めにいただいているし、手厚くしてもらっていると思ったので、別にいいかなと思いました」

港区民「医療従事者とか、介護関係とか、ひっ迫されてる場所に優先的に給付なりした方がいいと思う」

さらに、品川区の隣、目黒区では…。

目黒区民「うらやましいですね、とても」

目黒区民「品川区はいいですね。わたし、道路の向こう側で目黒区なんです。品川区ってなんでそんなに潤沢なんですか?」

品川区が今回の給付にあてる財源は、「財政調整基金」。
自治体がお金に余裕がある年に積み立て、不足した年に切り崩して使う、いわば”貯金”。

どの自治体でも積み立てているもので、大田区は約569億円、港区は約523億円、品川区は約180億円と、金額では品川区のほうが圧倒的に少ないのがわかる。

では、なぜ品川区は大胆な政策を打ち出すことができたのか。
公共経済学が専門の、法政大学・小黒一正教授に話を聞いた。

法政大学・小黒一正教授「法人がたくさんあって、そこからの税収がたくさんある。他方で、今回支出する場合は、個人・住民の方々がそんなにいらっしゃらない。自治体間の格差が出てくる政策なので、できる所とできない所が如実に分かれる。政策的に良い悪いは言えないと思います。新型コロナの関係で、ダメージを経済的に受けている。そういった面で、区としてもサポートしたいという動機があった」

品川区では、企業などからの税収が多いこともあり、住民への直接給付に踏み切れたのではないかということだ。

(2020/06/03)

#新型コロナウイルス #品川区

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