1日からステップ2に移行した東京都ですが、休業要請の対象のまま、苦渋の再開をする店も出ています。フェイスシールドに防護用ガウン、銀座の老舗クラブを取材しました。
1日夜に営業を再開した銀座のクラブがあります。文豪や著名人も多く訪れるという老舗のクラブです。着物の上に防護用のガウンをまとい、フェイスシールド姿で店の準備をするのは、ママの水口素子さん。新型コロナウイルスの影響で、3月下旬から約2カ月の間、店を閉めていました。
クラブ「ザボン」・水口素子ママ:「厳重のうえに厳重に。恥ずかしいのですが、これをやろうと思って」
水口さんの店は、ステップ3のさらに先に分類される「接待付き飲食店」で、今もまだ休業要請の対象です。
クラブ「ザボン」・水口素子ママ:「(Q.東京都ステップ解除にクラブは入っていないが?)家賃が払えないから経済的な面で。それだけですよ。(自粛)要請期間中なのに自分勝手なことをしておりますので、感染しないように、お客様に迷惑を掛けないように、こんな変な格好をして、こういうのを着けて、そこは真剣にやっています。ローンとかを抱えています。家賃を払ったりとか負担が重いんですよ」
2カ月間で売り上げはゼロ。家賃や従業員の給料などで損失は400万円から500万円に上るといいます。これ以上休むと店を畳まなければならず、従業員の生活を守るため、さらに常連客などからの「再開してほしい」という声も受け、1日から営業を再開しました。営業時間は原則午後7時から午後10時の3時間。お客さんが来るまでは雨かっぱなどで作られたガウンを着用して、消毒作業にあたります。店にお客さんが入る際には、アルコール消毒や検温を徹底し、希望があれば店が提供するフェイスシールドも用意しているといいます。
従業員:「髪も消毒で拭くので、セットをしていないんですよ」
さらに接客は、ゴム手袋にマスク、もしくはフェイスシールドを着けたうえで、予約制を取り、一日に入店できるのは1組までとしています。
抗菌シートから取り出されたグラス。お酒や飲料水のボトルも抗菌シートが巻かれています。換気のための扇風機など、店の至る所に感染症対策が取られていました。
クラブ「ザボン」・水口素子ママ:「いずれは再開しなければならないから、どこの店よりも早くやる以上は、それなりの覚悟を決めて完全防備でやりました」
水口さんの“覚悟”の後押しとなっているのが、「銀座の伝統文化を残したい」という強い思いです。
クラブ「ザボン」・水口素子ママ:「銀座の街を終わらせてはいけないと。銀座で飲む文化がなくなったら、それこそ大変じゃないですか。時間と空間を売っている。
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