昨日、「国家安全法」に反対する数千人規模のデモがあり、銅鑼湾(コーズウェイベイ)と湾仔(ワンチャイ)エリアを中心にデモ隊と警察が衝突し、香港警察は催涙ガスや放水車を使用するなどし約180人を違法集会の疑いなどで逮捕しました。また、インターネット上では5~7月にかけたデモ計画が複数みられています。
本日、香港内では以下のような「国家安全法」に関連するニュースが多くあり、それぞれをご案内します。
・英国首相、香港人を難民受け入れするかを検討
・世界の有力政治家201人が中国を非難
・政府「昨日デモで国安法の必要性を示した」と発言
・教育局「国家安全法を教えるべき」と発言
■英国首相が香港人を難民として受け入れるかを検討
英国のボリス・ジョンソン首相が、香港人を難民として受け入れて英国パスポートを与える可能性について大臣らと話していたと英国メディア「Sunday Express」が伝えました。ただし、香港人全員を対象とするか、BN(O)パスポートと呼ばれる英国国民(海外)パスポートを持つ31万5,000人の香港人を対象とするかは明らかになっていません。
■世界の有力政治家201人が中国を非難
クリストファー・パッテン(香港の元総督)とMalcolm Rifkind(英国の元外務大臣)が、米国議会の17人、英国議会の44人を含む、世界の201人の有力政治家や法律関係者との共同声明を作成し「国家安全法は香港の自治・法の支配・基本的自由への攻撃であり、中英連合声明(1984年に中国とイギリスが共同発表した香港返還に関する声明)に明らかに違反している。香港に関して北京が約束を守らないのであれば、他の事案に関しても北京を信用できない」と非難しました。
■教育局「国家安全法を教えるべき」と発言
香港の教育局局長の楊潤雄(ケビン・ヨング)がラジオ番組で「国家安全法の教育は学校の責任であり、地域全体の責任である。国家安全法が導入された時に、学校のカリキュラムで法の本質と原則をどう教えるか考えなければならない」と発言しました。
■政府「昨日デモで国安法の必要性を示した」と発言
香港政府は声明で「コーズウェイベイとワンチャイ一帯で行われた暴力行為は『香港独立を訴える人物』や『黒暴(黒い服を着た暴力行為を行う人物)』がはびこっていることを証明しており、国家安全法の立法が必要かつ緊急性を帯びている」と発言しました。