感染第2波を警戒しながら、経済活動再開の動きが世界で加速している。
そんな中、中国では車への関心が高まっている。
一体、どうしてなのか。
晴天に恵まれたアメリカ・ニューヨーク市内の公園では、ピクニックをしたり、体を動かしたり、長引くコロナ疲れを癒やす市民の姿があった。
そこに現れたのは警察官。
何かの取り締まりかと思いきや、警察官が手渡していたのはマスク。
必要としている人に配布していた。
そこで、マスクをした取材中の記者も「もう1枚もらえますか」と聞いたところ、もらえた。
ここ、ニューヨーク州では一部の地域で、15日から経済活動が段階的に再開可能となるが、マンハッタンなどの中心地では、外出制限が長引く見通し。
そんな中、トランプ大統領は…。
トランプ大統領「ホワイトハウスのスタッフは、きょう、みんなマスクを着用している。(大統領が指示を?)そうだ! わたしが指示した」
感染者が相次いでいるホワイトハウスでは、トランプ大統領が、執務室のあるエリアに出入りする職員にマスクの着用を命じた。
しかし、当の本人は、「十分な距離をとっているので必要ない」とノーマスク。
マスクの配布が本当に必要なのは、もしや、この人?
感染拡大の第2波が警戒される中で、世界では今、独自の政策で経済活動を再開させる動きが相次いでいる。
ドイツでは、外出自粛のストレスを音楽フェスで解消する作戦が。
開催されたのは、車に乗ったまま参加する「ドライブイン音楽フェス」。
みんな、ノリノリで音楽を楽しんでいた。
今もクラスターが確認されるなど、感染の第2波が警戒されるドイツ。
このフェスでは、車1台につき2人まで、ソーシャルディスタンスを守るなどルールが決められたが、止められた車は密となっていた。
イギリスが採用したのは、その名も「3段階作戦」。
ジョンソン首相は、6月に店舗や小学校、続いて7月には飲食店や劇場などを再開し、その後、全面的な緩和を目指す方針を国民に示した。
一方、連日、1万人以上の新たな感染者が出ているロシアでは…。
プーチン大統領「12日から、ロシア全土で実施していた、ほぼ全ての産業の休業措置を解除します」
感染者の多いモスクワ市での再開は、建設業などに限られ、外出制限も続くが、プーチン大統領は経済の悪化を懸念し、大胆な解除に踏み切ったとみられる。
しかし、一部地元メディアでは、「危険な政治的航海の始まり」と批判的に報じている。
一方、欧米に先駆け、コロナ危機からの脱却をアピールする中国。
制限の緩和でさまざまな経済活動が再開する中、気になる現象が起きていた。
北京市内の自動車販売店。
平日の昼間だが、何人もの客が訪れ、商談が進んでいた。
店を訪れた客「ずっと(車を)買いたかった」
感染拡大の地、中国では今、なぜか車への関心が高まり、次々と売れている。
自動車の祭典、4月に開かれる予定だった「北京モーターショー」は秋に延期となった。
消費を刺激しようと、急きょネットモーターショーの開催が決まり、国内外のおよそ50のブランドが参加。
3Dのバーチャル映像で試乗でき、内装、デザインなども手に取るようにチェックできる。
実際、中国国内での自動車販売台数も上昇中。
多くの販売店が営業できずにいた2020年2月は、前年比で8割ダウンと大きく落ち込んだが、4月は前年を上回るプラス4.4%以上と、まさにV字回復を果たした。
この自動車爆売れ現象、理由は消費刺激のキャンペーンだけではないよう。
北京名物ともいえる渋滞が復活しつつある中、バスや地下鉄の利用者は、4月下旬になっても以前の半分以下に大きく落ち込んだまま。
実は…。
北京市民「今はコロナもあって感染が怖いから、(公共交通機関を避けようという)呼びかけに応じている」
多くの市民が、感染への警戒心から公共交通機関を敬遠。
これにともない、マイカー移動への関心が高まっている。
車の購入客「多くの職場が仕事復帰はマイカー通勤が条件。バス通勤はダメ」
自動車販売店は、「コロナの経験で、車を買いたくなるお客はまだいるだろう」と話す。
12日、無症状もあわせて新たに16人の感染が発表され、さらに感染拡大の震源地・武漢では、当局が1,000万人を超える市民へのPCR検査実施の方針を決めるなど、感染拡大が再び懸念される中国。
新型コロナウイルスが生んだ、思わぬ「マイカー特需」は、経済活動の動きをこのままけん引していくことになるのか。
(2020/05/12)
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