26日からスタートする予定だった聖火リレーが、オリンピックの延期で直前の中止に。

この日を待ち望んでいたリレー走者は、どんな思いでこの決定を受け止めたのか。

26日、スタートするはずだった聖火リレー。

その出発地点では…。

出発式の会場・Jヴィレッジ。

すでに設営は終わっているが、中止となってしまった。

ぎりぎりまで続けられていた式典会場の設営。

しかし、大会の延期が決まり、今後、解体されることに。

男性「残念だね、うちの孫も走るはずだった。やむを得ないね」

栃木県内で聖火リレーに参加する予定だった、ランナーの1人・箱石シツイさん。

1916年、大正生まれの103歳。

200メートルのの区間をその足で歩いて、トーチをつなぐ予定だった。

中止の連絡に箱石さんは、「ガクンときました、がっかりしました。一生懸命努力してましたから…」と話した。

103歳にして、今なお、店に立ち続ける現役の理容師。

3月29日の本番に向け、毎日足首に重りをつけての筋トレや、トーチに見立てた棒を手に坂道を歩くなどのトレーニングを続けてきたという。

その努力を見守ってきた80代の長男・英政さんは、「目標ができれば、また1年長生きしてくれると思う。いい方に考えようと、今はしています」と話した。

本番用にと用意した、真っ白なスニーカー。

あらためて行われる聖火リレーに優先的に参加できるのなら…。

箱石シツイさん「もう年ですから、いつどうなるかも、わからないですから。もし健康であれば走らせていただいて」

復興五輪を掲げる、東京オリンピック。

2021年は東日本大震災から丸10年の節目の年となる。

石巻市民「来年、ちょうど(東日本大震災から)10年目ですから。それに向けて、復興がちゃんと終わるようにやっていく。それで本当のお祝いをする」

4月20日に宮城・石巻市を走る予定だった黒澤健一さん。

黒澤さんは、震災からわずか1カ月後、「がんばろう! 石巻」の看板を自宅の跡地に設置した。

その大きな看板は、やがて鎮魂と復興の1つの拠点となった。

黒澤さん「先日、南浜復興祈念公演に聖火が来たときに、子どもたちが本当に目をキラキラ輝かせて聖火を見ていたんですね。その姿を見たときに、オリンピックを純粋に楽しめる環境は必要だと思った。1年延長はよかったんじゃないかと思っています」

黒澤さんが建てた「がんばろう! 石巻」の看板は、時とともに傷みが激しくなったため、2016年、地元中学校の美術部員の手によって生まれ変わった。

看板に込めた思いは、2021年の聖火リレーにも向けられている。

黒澤さん「震災10年、心の復興だったり、まだまだ前に進めない人もいますけど、全力で前に進んでいらっしゃる方もいます。被災地は頑張っているんだよ、というのを示せるように、走って行きたいなと思ってます」

一方で、延期の決定に複雑な思いを抱える人もいる。

静岡県内で6月26日に聖火をつなぐ予定だった、中山定雄さん(50)。

中山さん「6月末に走ることが大丈夫か心配になっている、ちょうどその時期。それがまた1年間延びると言うことで、ちょっとね…だんだん、実は自信がなくなってきているのが本音です」

中山さんが聖火ランナーに申し込んだ際の自己PRには、「わたしは末期がん患者です。ことし春までの命の宣告を受けていましたが、それを過ぎ、人生のロスタイム中です。聖火に魂を込めますので、国立競技場まで、わたしの生きている証を届けてほしいのです」と記されていた。

中山さん「ポジティブに考えれば、1年かけて頑張って病気を治して、がん患者の人に希望を持ってもらえるような、明るい走りを見せたりとか、今は思っています」

被災地にともる復興の火として、25日、福島・いわき市にあった聖火。

感染防止対策として、新たなルールが設けられた。

司会者「本日、たくさんの皆さまにお並びいただいております。1組15秒の時間制限をさせていただいております」

間隔を空けて並び、聖火を目にできるのは15秒。

それでも人々は、オレンジ色の炎に、さらなる復興への希望を見いだしていた。

(2020/03/25)

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