首都・東京で今後、感染者がさらに増加したらどうなるのか。
そんな不安が広がる理由は、“ある試算”にあった。

都内で22日までに確認された感染者は138人。
ところが、国の専門家で作る対策班の試算では、今後2週間余りで感染者が500人以上増加する可能性があるという。

小池都知事「東京の特徴といたしまして、全国から人が集まるという日本最大の都市であると」

23日、小池都知事は、全国から人が集まる東京で“首都感染”が広がれば、さらに全国へと波及するおそれがあると危機感をあらわに。

小池都知事「この3週間、オーバーシュート(感染者の爆発的増加)が発生するか否かの大変重要な分かれ目・分かれ道」

23日の会見で、小池都知事は感染者が爆発的に増加する「オーバーシュート」への危機感もあらわにした。

この危機感の背景にあるのが、都内の感染見通しについての気になる試算。

国の専門家で作る対策班の試算で、今後2週間ほどで都内の感染者数が500人以上増える可能性があることがわかった。

東京都民(50代)「人数的には都内は人が多い分、(コロナの)広まりがどんどん加速していくのはなんとなく想像しちゃう」
東京都民(30代)「外国人もまだ普通にいたりもするのがあるので、なかなか(感染拡大を)止めるのは難しい部分もある」

ではこの“首都感染”が広がると、今後の列島に何が起きるのか。

感染症にくわしい昭和大学医学部の二木芳人特任教授に話を聞いた。

昭和大学医学部・二木芳人特任教授「東京は首都だから地方からも人がたくさん来るので、人が集まるところというのは大きな爆発的感染の種になり得る」

各地から人が集まる東京で大規模クラスターが起きると、感染拡大が“全国に波及”するおそれがある。

それにより、海外の大都市のような都市の封鎖「ロックダウン」を招きかねないという。

2月、大阪市の複数のライブハウスでクラスターが発生したケース。

すでに終息宣言が出されているが、観客が全国各地から集まっていたことで、ほかの都道府県に感染が拡大した。

さらに海外のケースでは、韓国の宗教団体の信者ら3,000人近くが感染。

また、マレーシアでは、首都クアラルンプールのモスクでイスラム教の宗教行事が開かれ、感染者が790人に急増するなど、「大規模クラスター」の発生による感染拡大が大きな問題となっている。

そんな中、3連休最終日の22日、波紋を呼んだのが大会場での格闘技イベント。

埼玉県知事が異例の会場視察を行い、国や県が“自粛要請”をする中、開催が強行された。

格闘技イベントが行われていた「さいたまスーパーアリーナ」は、駅からも直結で近い場所にあり、多くの人が行き交う場所にある。

会場の「さいたまスーパーアリーナ」には、観客6,500人が集まった。

さいたまスーパーアリーナ付近の地元住民「皆さんが頑張ってここまで自粛するって気持ちなのに、それでやったということは、ちょっと賛成できない」、「(不安は)ありますね。若い人たちが集合しちゃうので、それでもし感染が広がったらクラスター状態で怖いなと」

各地から人が集まる場所で大規模クラスターが発生する危険。

では、多くの人が出入りする首都・東京には、実際に全国からどれだけの人が来ているのか。

取材班は「新宿」、「原宿」、「浅草」の都内各地で、「どの地域から来たのか」を緊急調査。

まずは、駅としては“世界一”の乗降者数を誇り、列島各地を結ぶ巨大なバスターミナルもある「新宿」。

岩手在住の母(50代)「岩手から来ました」
神奈川在住の娘(20代)「きょう(大学の)卒業式のはずだったけどなくなって、ただ遊びに来てくれた」

三重在住(30代)「三重から来ました。引っ越しで東京の方に来てて、これから引っ越すために来ました」

35人中、実に16人が東京都外から来ていた。

続いて、若者が多く集まる「原宿」では…。

千葉在住(20代)「千葉です。ご飯食べに来ました」
神奈川在住(40代)「神奈川・川崎市です。(仕事で)たまたまクライアントさんが表参道を指定してきたので来た」

プライベートや仕事などで、東京に隣接する神奈川や千葉などから来た人が多く、35人中20人が都外からという結果に。

さらに、日本のみならず海外からの観光客も多い「浅草」では…。

千葉在住(20代)「コンサートだったんです本当は。それが(中止で)なくなって観光にしました」
和歌山在住(40代)「和歌山です。旅行です、観光です。ちょうど、この時期しか休みがないので、コロナのリスクも考えたんですけど、それより一緒に行けるタイミングの方が優先された」

と、こちらは遠くから観光目的で来た人が多く、30人中17人が都外から来ていた人だった。

都内3地点でのアンケートを合計すると、100人の中で都内に住む人は47人、都外から来た人が53人。

23日に都内で出会った人の実に半数以上が、東京以外からの来訪者だった。

さらにその場所も、宮城や沖縄など、広く全国各地から集まっていることがわかった。

この首都・東京で、今後2週間余りで500人以上感染者が増加する試算がある中、今後の感染者急増を防ぐにはどうすればいいのか。

昭和大学医学部・二木芳人特任教授「おそらく東京都の500人という試算は、何も対策をしなかったらこういうことになりますよという最悪のシナリオ。学校なんかを休校にしている、これの時期を延ばすとか。週末に繁華街に出かけるのを自制してもらう。対策がうまくいけば500人にはいかない」

(2020/03/24)

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