新型コロナウイルスへの不安が強まるが、実はかつて人類は何度もこうしたパンデミックに直面し、生き残ってきた。しかもその多くが、コロナよりも恐ろしい感染症だった。人類と感染症との“果てなき戦い”の歴史について、テレビ東京前ロンドン支局の豊島晋作が緊急解説。

かつて疫病は、戦争よりも多くの人の命を奪ってきた。
人類が経験したパンデミックで有名なものは1918年のインフルエンザ大流行である。一説によると全世界での死者数は5,000万人近くに上り、これは当時の第一次世界大戦の戦死者を上回る。日本でも全人口の1%近い死者が出たとの推定もある。

中世ヨーロッパの百年戦争でフランス軍と戦ったイングランド軍も多くの兵を赤痢で失い撤退を余儀なくされ、あのナポレオンも多くの兵をチフスで失った。英軍は、クリミア戦争でロシア軍の攻撃よりも多くの将兵を疫病で失っている。そして実は戦時下での感染症との戦いに、世界で初めて勝利したのは、日露戦争の日本軍だった。

そもそも感染症と人類の戦いはなぜ始まったのか。
それは今から9000年前に野生動物を家畜化したときに遡る。特定の種を繁殖させて自然の様相を一変させた人類は、いわば“食物連鎖を短縮”してきた。感染症の保菌者だったと考えられる牛や羊などと絶えず一緒に暮らし、大量の糞便の近くに定住したことは、細菌やウイルスにとっては繁殖しやすく、人類に寄生しやすい環境を提供したのである。焼畑農業によって草地や沼地が増え、蚊の増殖をもたらしたのがマラリアの流行をもたらしたように自然への介入が感染症が広がる原因ともなっている。

戦争が人類の歴史を形成してきたように、感染症もまた人類史を形作る大きな要因だった。古代ギリシャのアテネを疫病が襲ったため、アテネはスパルタを滅ぼす計画を断念した可能性がある。ナポレオンの将兵が疫病で大量に死ななければ、欧州のパワーバランスは今の歴史とは異なるものになっていたかもしれない。

人類が経験した最悪レベルのパンデミックは中世14世紀のペストだが、この時はヨーロッパの総人口の半分か3分の1にあたる2,500万人が命を奪われた。このためヨーロッパが人口を回復するのには100年以上、5世代ほどかかったとみられている。

こうした歴史を紐解きながら、現代のパンデミックを深く考える材料としたい。この動画では戦いの始まり、人類の苦難などを解説しているが、次回の動画では、「人類の逆襲」により焦点をあててお届けする予定だ。

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