東日本大震災からまもなく9年です。岩手県では復興事業で町民を津波から守るために整備された堤防が逆に町民を苦しめたという指摘があり、調査が続いています。

 津波で115人が犠牲になった岩手県山田町の田の浜地区。町はおととし、津波対策として高さ最大6メートルの堤防を整備しました。しかし、去年の台風19号で想定を大きく上回る大雨が降り、住民を守るための堤防が雨水をせき止めて地区一帯が水浸しになったといわれています。
 下村義勝さん:「(以前は堤防が)なかったから、いくら雨が降っても自然に海に流れていった」
 下村さんは震災後に再建した自宅が再び浸水し、全壊と判定されました。町は原因を究明するため、検証委員会を立ち上げました。しかし、住宅の再建に踏み切れない住民も多いといいます。
 下村義勝さん:「こういう現状で(堤防を)復旧したらこの辺の人たちは皆、家を捨てる。誰も住まないと思う」
 町は今後、検証委員会の提言を受けて堤防の具体的な改修方法を示すことにしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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