いつもと変わらない商店街での買い物風景。
商品を手渡す瞬間の距離は、およそ80cm。
実は、こうした身近な場面にも、新型コロナウイルスへの感染のおそれが?

政府は25日、感染拡大の防止策をまとめた基本方針を公表。

これに先立ち、24日に行われた専門家会議の緊急会見では、危険度が高い“距離”について、副座長から「対面でお互い腕を伸ばせば、お互いが届く距離」という説明があった。

ポイントは、“手と手を伸ばせば届く距離”。

60代外資系の男性は、「(仕事上)移動が多いんで。新幹線・飛行機・電車、しょうがないよね」と話した。

50代事務職の女性は、「(手を伸ばしたら届く距離)どこでもあることですよね。会社に行ったら、上司とのやりとりも至近距離ですし」と話した。

日常生活のさまざまな場面に潜む、感染リスク。

その危険について、感染制御の専門家は「無防備な状態だと、せきやくしゃみがなくても、通常の会話でも感染のリスクがある」と話す。

そこで、「そう言われても困っちゃう! “新型コロナ対策”基本方針」とは。

千葉・市川市のショッピングモール「ニッケコルトンプラザ」では、ランチタイムは子育て世代などで一杯に。

ほぼ満席状態で、隣のテーブルとの距離は、およそ1m。

30代女性は、「距離を保つというのは無理じゃないですかね、どうしても」と話した。

50代女性は、「政府の方は、基準決めて、距離を取るなら厳しくやってほしい」と話した。

戸惑いの声が上がったのは、新型コロナウイルスへの感染対策。

ウイルスの感染経路は、大きく分けて「飛沫(ひまつ)感染」と「接触感染」の2つだが、感染拡大リスクが高い状況について、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で、尾身茂副座長は「対面でお互い腕を伸ばせば、お互いが届く距離。そこの間で、会話などを一定時間しちゃうということ」と説明した。

“対面でお互い腕を伸ばせば届く距離”を実際に再現してみると、成人男性2人の場合で、およそ1m50cm。

この距離について、東京医療保健大学大学院の菅原えりさ教授は、「(くしゃみなどの)飛沫は約1~2m範囲に飛ぶと言われていますから、『互いに手を伸ばしたら届く距離』は、飛沫感染対策をしっかりしなくてはいけない」と話した。

せきやくしゃみで、しぶきが飛ぶ距離を測定した実験でも確認された飛距離は、およそ2m。

つまり、2m以上離れれば、感染を防げるということになるが…。

20代女性は、「現実的ではないですよね。どう考えても手が届く距離でしゃべってるし、難しい」と話した。

フードコートで計測すると、テーブルで向かい合う人同士の距離は、およそ90cm。

隣り合わせで座ると、およそ30cm。

普段、何気なく利用しているこうした場所にも、感染のリスクが潜んでいることになる。

30代女性は、「食事もできない。家族で1つのテーブルしかないのに」と話した。

40代女性は、「買い物とかでも、料金払うときは手を出す。だから、生活成り立たない」と話した。

60代女性は、「どうやったらうつるかとか、(感染を)回避できるのか教えてほしい」と話した。

「日常生活が成り立たない」といった声は、下町の商店街からも聞かれた。

総菜店「松ばや」の店主は、「昔ながらの対面で渡す感じですね。それ(距離)を気にしちゃったら、何もできなくなっちゃいますよね」と話した。

90代女性は、「(話をしながらはいい?)そりゃそうですよ、黙って買うよりは」と話した。

感染を防ぐうえでは、やはり、マスクと手洗いが重要。

東京医療保健大学大学院の菅原教授は、「相手がマスクもせずに会話するときには、できるだけ距離をとるのが重要で、不特定多数の人が触った場所があるなら、自宅に帰ったら手を洗う」と話した。

さらに、仕事で多くの相手と触れ合う人々は…。

営業職の30代男性は、「僕は営業なので、名刺交換だったり、商談というのも本当に近く。あと、商談以外に展示会とか、そういうのも何百人と対応するので、かなり不安」と話した。

就活生の20代女性は、「満員電車なので、全然ぶつかりますね」と話した。

通勤電車や会合や会食など、他人と近い距離で接触せざるを得ない数多くの場面が挙がった。

一方で、“普段の心がけ”として挙がったのが…。

30代男性らは「(休日は)極力、人混みに行かないようには気をつけてますね」、「休みの日は、人が集まるところには行かないようにしてますね」などと話した。

では、休日の身近なレジャーの1つ、不特定多数が閉鎖空間に集まる「映画館」には、どのようなリスクがあるのか。

例えば、隣の席に見知らぬ人が座り、偶然、ヒジがぶつかり、声を掛けた際の顔と顔の間は、わずか30cm。

そして、もしも後ろに座る人がくしゃみをした場合、しぶきがおよそ2m飛ぶと仮定すると、2つ前の列にまで飛沫感染の危険が及ぶことに。

万全を期して、2メートル四方の距離を取るには、縦は1列、横は3席空ける必要がある。

映画館での感染を防ぐために、東京医療保健大学大学院の菅原教授は、「映画館の中でマスクを外さないように明確にお客さまに伝えるとか、消毒液を適宜置いて、よく使うようにお客さまにお願いする」と話した。

一方、新型コロナ対策をめぐってSNSで思わぬ注目を集めたのが、とんこつラーメンチェーンの「一蘭」。

その特徴は、1席ごとに左右を板で仕切ったカウンター席。

本来の狙いは、食べることに集中してもらうことだが、「“感染防止”に効果的では?」と話題になっていた。

20代女性は、「絶対、ツバとか飛ばないですしね」と話した。

30代女性は、「仕切られているのは、(感染対策として)効果がありそうだなと思う」と話した。

実は、中国のある食品メーカーも、感染拡大後、社員食堂に仕切りを作り、飛沫防止対策に取り組んでいた。

思わぬ反響に、一蘭広報・蔵立望さんは「まさか、こういう形で反響があるとは思いませんでした。(仕切りで)接触は避けられると思いますが、断定はできませんので、お客さまご自身で自由に感染予防ができるように、除菌スプレーも設置している」と話した。

(2020/02/26)

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