鹿児島・屋久島でサルが手にしているのは、バナナ。さらに別のサルは、せんべいを手にしていた。
写真が撮影されたのは、鹿児島県の屋久島。
世界自然遺産のこの島の生態系が今、人間の餌やり行為によって脅かされている。
屋久島の固有種「ヤクシマザル」。
木の上でくつろいだり、ガードレールの下で仲よく座ったり。
同じく島の固有種である「ヤクシカ」とともに、のんびりする姿もあった。
こうした中に、なぜバナナを手にしたサルがいたのか。
環境省の職員が指摘する。
屋久島自然保護官事務所・柘植規江さん「このあたりにバナナは自生していないので、誰かがあげたものと思う」
浮上しているのは、誰かが餌やりをした可能性。
バナナだけではない。
2019年11月には…。
屋久島観光協会フェイスブックより「西部林道で大量のお菓子が置かれていた」
そこには、手にしたせんべいをほお張る姿が。
外国人観光客も含め、年間29万人以上が訪れる屋久島。
ここ1~2年、餌をねだってか、サルが人を取り囲むなどの被害が相次いでいるという。
取材班は、写真が撮られた県道沿いの現場へ。
そこで目撃したのは、車が横を通過しても逃げようとしないサルの姿。
さらに餌やりの痕跡か、県道沿いには、ペットボトルやお菓子の袋などのごみが落ちていた。
さらに、島の名産であるかんきつ類「タンカン」農家を訪ねると…。
タンカン農家「サルの被害すごいよ」
育てているタンカンは毎年、サルによって食べられてしまうという。
タンカン農家「(餌を)やれば、今度は餌付けというか、慣れてくる。農家のことを考えてもらって、(餌を)あげないでもらいたいと思います」
“餌やり”によって、サルが人間の食べ物の味を覚えることの危険は、計り知れないという。
広げた両手で、乱暴に窓ガラスをたたくサル。
佐賀市内では、住宅街に居座り続けた野生のサルが小学生に襲いかかるなど、凶暴化したサルによる騒ぎは、全国各地で起きている。
屋久島では、サルに餌やりをしないよう、SNS上で英語や中国語で注意喚起を行い、野生のサルが現れる現場には看板を設置。
さらに罰則付きの条例を制定するなどして、対策を強化している。
(2020/02/11)
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