ウナギのかば焼きの購入額11年連続日本一といえば、名産地の静岡・浜松市。
しかし最新の調査で、16位へとランクダウン。

代わって1位の座に輝いたのは、滋賀県の大津市だった。

浜松市は11年トップに君臨していたが、16位転落の知らせに市民は「身近だから、もっと食べてるかと…」、「ウナギ生産地でありながら、すごくショックだと思います」といった声が聞かれた。

今回、浜松市を破ってウナギのかば焼き購入額日本一に輝いたのは、琵琶湖を望む滋賀・大津市。

総務省の2019年の家計調査によると、1世帯あたりの購入額は3,610円。
2019年の6位から、一気にトップになった。

大津市民からは「へえー! そうなんですか」、「お金持ちが多い。大津は昔、日本で一番お金が多い街と聞いたことがある」といった声が聞かれた。

いったい、なぜ大津市が日本一に輝いたのか。

まず、地元で人気のウナギ店「逢坂山かねよ」へ向かった。

お昼時、お客さんが満面の笑みで見せてくれたのは、大津を代表するウナギ料理「きんし丼」。

ウナギの上に大きなだし巻き卵がのっているのが特徴。

大津市民のお客さんは、「特別な日に結構来ることが多いです」と話した。

逢坂山かねよ・村田章太郎総料理長は、「琵琶湖があるので、川魚文化。昔から今でもそうなんですけど」と話した。

もともと川魚に親しんでいるからでは、と推測した料理長。

そこで、地元の商店街を訪ねた。

タニムメ水産・北村康弘社長は、「おいしいウナギが多い。毎週、毎月、(ウナギを)買っていただくお客さまも、おなじみのお客さまが多いです」と話した。

店主も、川魚に親しんできた地域性が理由と推測する。

では、なぜ11年連続1位だった浜松市が、一気に16位に転落したのか。

浜名湖養魚漁業組合を訪ねた。

浜名湖養魚漁業組合・外山昭廣組合長は、「ウナギの稚魚が(去年)ほとんどとれなかった。それが原因で、非常に高騰した。今までは2回食べられていたのが、1回になってしまう」と話した。

しかし、ウナギの値段が高くなったのはどこも同じ。

そこで、地元のスーパーを訪ねてみた。

中国産は1尾1,280円に対して、浜名湖産は1尾2,380円と、地元のものは1,000円以上高い値がついている。

ならば、安い中国産という選択肢はないのか。

浜松市民からは、「どうしても、こっちの方ですよね。日本の。やっぱり、浜名湖産の方を買いたいですよね」といった声が聞かれた。

フードマーケット・マム 天王店・土屋健太郎鮮魚チーフは、「浜名湖産を食べたい意識が強い。中国産とか、ウナギが安価で入る。地元が大切なものですから、消費が鈍る」と話した。

浜松市の購入額“ウナギ下がり”。

その理由は、地元・浜名湖産を好む消費者が、値段の高騰で買い控えた結果とみられている。

強い郷土愛が、皮肉にも順位を下げる原因となってしまったとみられる。

(テレビ静岡)

(2020/02/10)

FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/

チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/subscription_center?add_user=FNNnewsCH

新規コメントの書き込み