「診療報酬改定」、わたしたちが受ける医療について大きな方針が示された。
言葉は難しいが、医療サービスや薬の処方などの対価として支払われる診療報酬の改定案がまとまった。具体的に解説する。
何が変わるのか、主なものとしては、医師の働き方改革推進のため、緊急搬送が年間2,000件以上の病院は、入院の初日に5,200円を加算して、報酬を手厚くしていく。
また、大学病院など紹介状なしに診断を受ける場合には、患者から徴収する対象を拡大していこうということ。
または、ギャンブル依存症の治療に保険の適用をしていこう、遺伝子に変異があって乳がんや卵巣がんになった患者が、新たな発症を防ぐために乳房や卵巣を切断する、予防のために受ける手術にも保険を適用していこうということ。
そんな中、わたしたちが注目したのは2つある。
それは治療と仕事の両立支援と、オンライン診断について。
例えば、がんになった場合、これまでは治療と仕事の両立が、大変大きな課題とされてきた。
これまでは、治療にあたっている病院の主治医が、患者の勤め先の産業医と連携することは勧めてきていたが、その範囲を広げて、保健師や健康管理にあたる担当者と主治医が連携すれば、その報酬が認められることになる。
要件を見直すことで、何としても勤め先と病院とで、患者の情報のやり取りを緊密にしていこうというのが狙いにある。
具体的には、主治医が、患者の勤務状況をふまえて、療養上必要な指導を行って、産業医などに情報を提供すると、この医療機関には報酬が支払われるということになる。
この仕組みは、がんだけではなく、例えば脳卒中や難病も対象にしていこうということが今検討されている。
情報を共有して働くこと、そして治療を続けていくことを両立させていくのが狙いにある。
もう1つの注目点は、これぞIT時代だが、スマートフォンやタブレット端末によるオンライン診療の要件も緩和され、受けやすくなる。
現在は、オンライン診療を受けるには、顔と顔を合わせる対面診療を6カ月受けたあとでなくては、オンラインには進めなかった。
これが、改定後には3カ月でオンラインの診療を受けられる。
また、へき地や離島などでは、初診から条件を満たせばオンラインの診療を受けられることになる。
また、対象疾患も拡大して、これまでは生活習慣病などだったが、慢性頭痛などもこの適用の範囲になる。
具体的な料金面での変化について、慢性頭痛に悩む32歳の女性のケースを見ていくと、改定されたあとには、退院後は通院も不要になるため、また郵送で薬も受け取れるなど便利になる。
また自己負担の分、再診料や外来管理加算などがなくなるので、オンライン診療代だけとなって、少しは安くなっていくという変化がある。
(2020/02/10)
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