クルーズ船での感染拡大はなぜおきたのでしょうか。
専門家はクルーズ船特有の事情があると指摘しています。
感染拡大をどう防ぐか、そして、どう治療するか。
医療関係者が都内できょう、緊急に集まり話し合いました。


日本感染症学会で理事長を務める舘田氏は、
船のような閉鎖された空間の危険性を指摘します

舘田氏「(新型は)一つは飛沫でうつるということと、もう一つは接触。
手を触れるところはウイルスの可能性があるから閉鎖された空間、
空調がうまく回っていないような空間でせきをする人や
近くで話をすると当然広がる。まさにクルーズ船はそういう環境」

WHO=世界保健機関は6日、
「依然としてウイルスの大規模感染のさなかにある」として、
感染拡大の峠は越えていない、との見方を示しました。
感染はこれからピークを迎えるとみられています。

舘田氏「一旦広がるとばく露された人たちは抗体を持つようになるから感染を受けなくなる。
そういう意味での広がりが起きて、ある程度広がると感染が広がらないようになるので
今から1~2カ月が注意が必要な期間になる」

一方で、感染しても肺炎などの重い症状がなければ
過度に心配する必要はないと強調します。

その上で、手洗い消毒など
一人一人ができる身近な対策で感染の拡大を防げるといいます。

舘田氏「このウイルスはアルコール消毒に対して殺菌される、
弱いということが分かっているのでしっかりアルコール消毒をする。
水道水でも洗い流すことができるので、洗うだけでも効果が期待できる。
水道水の中にある塩素によってウイルスの活性を落とす」


こうした中、館田さんが理事長を務める
日本感染症学会などはきょう午後、
所属する医師らを集め緊急のセミナーを開催しました。

新型肺炎にどう対処したら良いか医師らが情報交換していました。

●医療関係者
対策は指針が出ているので
それに従って粛々とやっている。

●医療関係者
中国の方でも臨床試験的なものを
やられているということで
効果があれば症例にも使っていきたい

きょうの緊急セミナーにはおよそ200人の医療関係者が集まり、
新型肺炎の症例報告を真剣に聞いていました。

●国立国際医療研究センター・大曲国際感染センター長
この病気で特徴的だと思いますが非常にだるいと言っていました。

注目が集まったのはこの分野の研究をリードする
国立国際医療研究センターの大曲国際感染症センター長の報告でした。

大曲氏はきのうエイズ治療薬を投与した結果、
熱が下がり体のだるさが無くなるなどの改善傾向が見られたと報告。
今後の治療法として期待されているということです。

●国立国際医療研究センター・大曲国際感染センター長
私たちがいまできることは軽症の方でもしっかり見ることが
もちろんですが潜在的に重症になる型がいることに対して
どう助けていくか?
助けていくには医療がきちんと回っていかないといけない。

ただ症例自体が少なく治療法として本当に確立するかは
まだ今後の詳しい検証が必要だとしています。

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