新型肺炎の感染が深刻な中国の湖北省武漢市で、当局が状況を公表する前からその危険性と大流行を警告しながらも、デマを流したとして公安当局から処分を受けた34歳の医師が、自らも新型肺炎に感染し死亡した。

武漢市の眼科医・李文亮さんは7日未明、新型コロナウイルスによる肺炎で死亡した。

李さんは、2019年12月、地元の衛生当局が「原因不明の肺炎」の発生を公表するより前に、SNSで「海鮮市場でSARS(重症急性呼吸器症候群)が発生している」などと、同僚の医師らに警告した。

公安当局は、「デマを流した」として李さんを処分したが、ネット上などでは、当局が情報統制する中での李さんの行動をたたえ、英雄視する声が高まっていた。

李さんの死について、共産党系の新聞「環球時報」は、「心が痛むと」などとする論評記事を掲載していて、情報を隠していたとの当局への批判をかわす狙いがあるとみられる。

一方、中国の衛生当局は、中国本土での死者が、6日の1日で73人増えて636人、感染者が新たに3,000人以上確認されて、3万1,161人になったと発表した。

また、WHO(世界保健機関)は中国での状況について、「大流行のさなかにある」との見方を示した。

WHOは6日の会見で「われわれはまだ大流行のさなかにある。いかなる予測も慎重にならないといけない」と述べ、今後も状況を注視していく考えを示した。

(2020/02/07)

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