国土交通省は東京オリンピック・パラリンピックに向けて、羽田空港の発着便を増やすための新しい飛行ルートを2020年3月から運用する方針を示しました。
東京大会に向けて外国人観光客の増加が見込まれることから、国は羽田空港の飛行ルートを見直し、国際線の発着数を年間6万回から9.9万回に増やす計画を5年前から進めてきました。
7月30日に行われた東京都や各自治体が協議する会合で、国交省は新しいルートについて2020年3月29日に運用を始める方針を示しました。羽田を発着する便は、現在、騒音被害軽減のために東京湾上空を飛行していますが、新しいルートは日中に渋谷区や品川区などの上空を通過します。発着数を現在よりも1時間で10回増やせる一方、騒音問題や落下物など、安全面が懸念されています。こうした声を受け、国交省は新宿駅付近では飛行高度を915メートルから1037メートルに、空港に近い大井町付近では30メートルほど引き上げ、騒音の被害を抑える対策を新たに示しました。
国交省は8月上旬に地元自治体との協議会で理解を得た上で、2020年3月29日から新しいルートの運用を始めたい考えです。