皆さんご存じ、液体のり。成分が先日、がんの治療にも効果があるとわかり、大きな話題になっているが、その液体のりをめぐって、メーカーが注意喚起している。

「がんが、ほぼ完治することを確認した」。
そんな驚きの発表を受け、今、注目されているのが液体のり。

40代女性「医療に効果があるというのは、すごく驚きました」
50代女性「肌に塗ると効果があるみたいな?」

その効果への関心が高まる中、事務用液体のりで全国シェア70%以上を誇るメーカーが、「一般消費者の方の、本来の目的以外の誤ったご使用はおやめくださいますよう、お願いいたします」と注意を呼びかけた。

今回、液体のりを使い、がんの放射線治療効果を向上させる方法を発表したのは、東京工業大学などの研究グループ。

東京工業大学 化学生命科学研究所・野本貴大助教「これほどまでに治療効果が高くなるのかというのは、正直、自分でも衝撃を受けました」

がん治療の1つ、放射線治療は、有効な手だてである反面、がん細胞以外の正常な細胞も傷つけてしまう可能性がある。

そこで、放射線が集中しやすい薬剤・ホウ素をがん細胞に取り込むことで、がん細胞のみを死滅させる研究が進められてきた。

しかし、野本助教によると、肝心のホウ素が、がん細胞から抜けてしまう問題が。

そこで目をつけたのが、液体のりの主成分だった。

野本助教「液体のりの主成分である『ポリビニルアルコール』を加えただけで、がん細胞から薬が抜けていかなくなるようになって、治療効果が劇的に向上した」

液体のりの主成分とホウ素を混ぜた薬剤は、がん細胞に長くとどまり、マウスを使った放射線治療の実験では、がんがほぼ消滅したという。

このニュースが取り上げられると、あの液体のりメーカーに異変が。

ヤマト・長谷川豊社長「(本来の使われ方でない)飲んだら治るのかとか、いろんな変わった問い合わせがあるものですから…」

あくまで、その主成分と治療用の薬剤を混ぜることで効果がある液体のり。
塗ったり飲んだりしても、全く意味はないにもかかわらず、誤った受け止め方をするケースが多くあったため、メーカーのウェブサイトで注意喚起を行っているという。

実用化には、5年から10年かかる見通しだという今回の発見。
粘り強い研究が進められている。

(2020/01/28)

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